ワタシ走れるんだ!

マラソン完走ブログ

四万十川ウルトラマラソン(2)スタート〜執念でゴール

写真もろくに撮ってないのと、それほど内容のあるものでもないので一気にゴールまで。 

スタート〜


10kmくらいまでで空が白んできて明るくなった。
ヘッドライトは持って行かなかったけど問題なかった。完走予定が18時以降になるなら持っておいた方がいいと思う。
最初の峠で勾配がきつくなるのは17~8kmあたりから。

それほど長くない上り区間の最後の数キロで、やたら歩いては前に出てくる男子がいて、こんなのっけから息がゼーゼー切れてて大丈夫なんかこの人って思った。気づいた時点で何回か前後していて、それ以降何回も何回も前後するのでこの人もしかして私を目印に歩いて走ってってやってるのでは?と気づく。男子さん峠のてっぺんに至るまでで落ちていったけどもしかすると私も前後されてる時に無駄にペースが上がってしまったかも?と思うとやはり最初の上りはもっと抑えるべきだった。

抑えるというより、急勾配(それがそれほど急勾配ではないところがミソ、というか罠)に差し掛かったら歩いて頑張らないくらいに抑えるべきだった。そして下りについては足を使わない意識をしてはいたもののそれも、使わない意識なんてレベルではなく使わないことに注力するくらいじゃないとダメなんだなあと。

こんな風に思ってラップを見るとかなり抑えて走れていた。あれれ…よく分からない…

でもやっぱりそれでもオーバーペースか、下りで足を使わない技術がないのが出てしまったんだろう。

なんせ下り15kmではどうしても足が回ってしまうので、わざわざトイレに寄っている。トイレ待ち時間が長くて、待ちながら「長っ!」って口走ってしまう程度には待った。あれでかなり足は休まったような気がしたけど、下り切ってから足が売り切れるまでそれほど長くなかった。
沈下橋で折り返す

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折り返して戻ってきたらまた短いけど上りがある。
最初の峠もそうだけど、この上りも上れない勾配じゃないし走って上れるところが落とし穴で、足は張ってるけど上ったわけですよ。だって走れるし上れるから。そしたら55km地点下りに差し掛かったところで急にキた。

55km:足が固まった

攣ったとかじゃなくてまともに着地できなくなって横向きになりながら歩いて降りました。

屈伸もまともにできなくて平地に降りてからどうしようどうしようってテンパった。
どうも前腿が張りすぎてて下りになるとまともに着地ができなくなる感じ。

一瞬今まで頭にもなかった「棄権」のワードが浮かんだ。


うそやろ、故障でも怪我でもなくまともに進めないからゴールできないとか!?
いやまて、棄権するくらいならまず休め、休む前にできるストレッチしろ、そして疲労成分は排出しろ!
ということで足踏みしながら(変な動きで移動)目の前にあった仮設トイレに入った。

洋式の仮設トイレだった。

悪夢のようにめちゃ汚れた仮説トイレだった。

SAN値をゴリッゴリに削られながらペーパーで必死で拭いた。拭いてから便座にもペーパーを敷いてから座った。き、き、、、、

キモすぎるーー!

アジアを極貧旅行した時だって最悪なトイレはあったが余裕がまるでないので国内でアッパーかまされたかのようなダメージ!
洋式といっても無理やり洋式にしてるトイレだからめちゃくちゃ狭くて座ったら目の前にはトイレのドア、膝はトイレのドアに当たる。こんなキモくて辛いトイレをかつて経験したことはない…!

仮設トイレから脱出して小刻みに足踏みしてみたりなんかいろいろ頑張ってたら復活してきてキロ6で走れるようになった。この時はまだ希望を持っていた。サブ11、うまくいけば奥出雲(11時間45分)から60分カット!とかね。


61.5kmレストステーション


レストステーションで預けていた荷物からエナジージェルをポケットに入る分だけ持って出た。レストステーションにいたのは2分くらい。休むにしても気持ちに余裕がなかった。
レストステーションを出て、ここからのこり38kmをキロ6で通せる自信がなくなっていた。
60km地点で6時間20分使っていたので'6:30で取りこぼしがなければ行けるんじゃないかって考えたけど、キロ6で通せないものが6分半なら走れるとかペースを落とせば大丈夫なんてそんなしっかりしたベース、まだ自分にはない。それに一度固まった足から復活したもののまた動かなくなる可能性が大きい、走れるか、走れないかっていう状態。
これはすでにやっちまった感あったけど、動かないで休むと筋肉が固まるだけだから歩いてゴールに進む方がまだマシ、時間ももったいないので進んだ。

71kmあたり
茅生大橋(かようおおはし)で折り返す。

74kmあたり:再度足が固まった→歩く のパターン1回目


また足が固まった。走れなくなった。歩くしかなくなってしまった。歩いてると1分、2分と時間が過ぎていくのを見て、もうサブ11は諦めろって自分に言い聞かせながら歩いた。キロ6すら出ない。
これは辛かった。でももうあと26kmじゃん?いつも普通にはしってる距離じゃん?せめて前のめりにゴールしようよ、ってまた無理こ足を動かすと2kmくらいしてからまた少し走れるようになった。歩いてから走り出す時、筋破壊もすごく激重で痛くて悶絶。それでも動かせたならだんだん解れて足が回るようになった。
6分半で走れる。ポンコツなりに気持ちが上がった。
〜か〜ら〜の〜

80~81km:再々度足が固まった→歩く のパターン2回目


3度目にもなると上がった気持ちを奈落の底に突き落とされる衝撃は大きい。

サブ11はもうあきらめるしかないのか…絶望。

 

2回も歩きで回復するしかない状態に陥ったことにガックリしながら足を動かす。
前腿はめちゃくちゃ痛いけど動かしてるとだんだんほぐれてきて動くようになる。どんなに動かしても動かせないときは諦めてまたしばらく歩いて回復をまった。
84kmあたりから足が動くようになった。気持ちが少し復活。
残り16km、このまま固まらずに走らせてください、どうかどうか。キロ6ペースまで上がった、このまま走ってゴールしたい!
心拍が低いのに呼吸はゼーハーする、ものすごくしんどい。給水のところでへばり気味なランナーもみんな同じ感じ。
マイペースにゆっくり追い抜いていく人たちと自分のこんなに必死な状態があまりに真逆でおかしかった。奥出雲の自分は前者だったのにいまは自分がヘロヘロで普通に走れないのろまなゾンビ。
ゾンビでもまだ動ける、走ってゴールする〜(内心集中力が限界に来ていて地獄やなって思いながら)

91kmで今までにない固まりが起こった:再再々度 パターン3回目


普通に歩けない。歩いていると攣りも起こるし変な歩き方をしてたまに走るような態勢にもっていこうとするも動けなくなったりした。

(89kmあたりを思い出して)あのままキロ6で走ればサブ11いけてた…もうそんなの無理なのにそれでもしぶとく気持ちは食い下がってたのに、もう歩くことすらままならない(へんな歩き方)。
ここで目標タイムに完全についえた、そして3回目(3回も!)走れなくなったことで完全に絶望した
「もう間に合わない〜〜〜〜!!」←リアルに声出た。

まさか1回のレースで2回も絶望するなんて思いもよらず。
絶望(:おおげさ表現)したけどおかしくてちょっと笑ってた。
私、初心者シールめちゃくちゃ似合ってるなよあ!!!

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思い切りゾンビですし。
タイムや成績は別段おまけみたいなものだけど、走れないのが一番辛く苦しい、楽しくない。いままで舐めてたんだろうなあ、本番で辛い思いをしてこなかったから。
たった10kmが遠い。走れたらキロ7でも70分で帰れるけど歩いたら倍近くかかってしまう。

そう思って悪あがきしながら歩いたりキロ8とかで進んだ。
前腿が張って凄い筋肉痛で痛いけど往生際悪く4kmほど小刻みに動かしてたら、また少しずつ動くようになった。キロ7だけど走ってる!このままどうか、どうかゴールまで持って!

99km最後の坂まできた。

上れる!むしろ上りの方が今の足には優しい、走れ走れ走れ走れ!
歩いてるランナーを何人か抜いた。ここで走らんかったらもう家に帰れんわ!
上りが終わったら後はひたすらクネクネ曲がりながらゴール会場までほぼ下り。下りになった途端、やはり後ろから抜かれる。
男子ひとりが抜いていった。そのあとも誰かが後ろについていたのは気づいたけどもう絶対抜かれたくない、死に物狂いで走った。今までで一番死に物狂いで走った。
最後のスパートは'5:50だった。後ろから追いかけてきた男子にも抜かれずに逃げ切ってゴール!!!
奥出雲の時みたいなほわんほわんしたゴールとは真逆のゴールでした。

 

マジで死んだ…
配分で失敗するとこんなひどいことになるんだとよくわかった。

初めての完走メダル(金属製)
やっとゲットできた。うっぅううー(T T)

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そしてゴール後も地獄がつづく

つづくんです